新鋭監督が、百戦錬磨のベテランに挑む。第94回選抜高校野球大会(甲子園)の準決勝が30日、行われる。 浦和学院(埼玉)の森大監督と国学院久我山(東京)の尾崎直輝監督は今大会の最年少の31歳で4強入り。一方の関西勢は、春夏通算59勝の大阪桐蔭・西谷浩一監督(52)、同23勝の近江(滋賀)・多賀章仁監督(62)と強者ぞろい。ともに東西対決となった2試合は、監督たちの采配にも注目だ。

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大一番の大阪桐蔭戦を前に、尾崎監督は燃えている。「スター軍団に、普通の学校である久我山が挑むというところ。楽しみがあります」。前日29日の練習では打撃を中心に行い、ここまで先発した最速135キロ右腕・成田陸投手(3年)、技巧派左腕・渡辺建伸投手(3年)はどちらもブルペン入りしなかった。「誰で行くか、もう一晩考えたい。出来れば3、4点で抑えて欲しいが、総力戦になると思う」と策を練る。

もう1つ、燃えるわけがある。浦和学院・森監督の存在だ。「同い年として、絶対先に負けないという意志が湧いてきています」。13年の監督就任から9年かけて、たどり着いた甲子園4強入り。森監督はわずか半年で達成した。「素晴らしいですよね。年齢は関係ないんだよ、と言うことを、示していければ。ともに頑張っていきたいですね」。勢いで強豪にぶつかる。【阿部泰斉】

◆尾崎直輝(おざき・なおき)1990年(平2)5月8日生まれ。東京都日野市出身。国学院久我山時代は外野手、学生コーチとしてチームをサポート。09年国学院大在学中のコーチ就任を経て、13年8月監督就任。保健体育科教諭。

○…50メートル走5秒75の俊足リードオフマン斎藤誠賢外野手(3年)が、準決勝を心待ちにする。対戦する大阪桐蔭・海老根優大外野手(3年)は中学時代、東都京葉ボーイズのチームメートだった。全国大会優勝の喜びも分かち合った2人が甲子園で再開。「対戦できて光栄です。『甲子園で倒す』と前から言っていたので、実現したいです。センターにいる海老根に打ち返します」と力を込めた。

▽下川辺隼人内野手(3年)(準々決勝で決勝2ランの主砲は強打の大阪桐蔭相手に気合)「どこが相手でも、自分たちがやることは変わらない。アウトを1個ずつ積み重ねるだけ」