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Monday, January 31, 2022

暖房と換気が同時にできる「換気扇」に注目、普通の換気扇と何が違う? - ARUHIマガジン

寒い季節でも、コロナ禍にあっては感染防止対策の一環としては換気が必須。しかし、換気によって暖房効率が下がってしまうのは困りものです。そこで注目したいのが、エアコンなど暖房機器の効果を妨げずに換気する「熱交換型換気扇」。設置することによりどのような効果があるのか、また設置のメリット、デメリットについて、世界で初めて「熱交換型換気扇・ロスナイ」を発売した三菱電機株式会社中津川製作所・営業部の佐々木真さんに話を伺い、詳しくご紹介します。

熱交換型換気扇とは

「熱交換形換気扇」とは、温度・湿度を維持しながら、新鮮な外気を取り込むと同時に、室内の汚れた空気を排出することにより換気を行う機器です。

「紙の、熱と湿度を通す性質を利用する製品として1970年に当社が世界で初めて開発・発売しました」と佐々木さん。

暖房効率のいい部屋
暖房効率のいい部屋で快適な冬を(画像素材:AdobeStock)

一般的な換気扇との大きな違い

一般的な換気扇は室内の汚れた空気を外に排気する際に、夏場であれば室内の冷やした空気を、冬場であれば暖めた空気を逃がしてしまう欠点があります。

例えば、外気温度0℃、室内温度23℃の場合、一般換気扇では排気することにより23℃の空気を逃し、0℃の空気を取り込むことになります。窓を開けて換気する場合と同じく、せっかく暖房で暖まった室内の温度が急激に下がります。

対して熱交換型換気扇を使用した換気の場合は、給気口(入口)と排気口(出口)の両方とも機械換気で行うことで、熱は室内にとどめたまま空気だけを入れ換えることが可能です。一般的な換気扇では給気または排気のいずれか一方が機械式で、片方が風圧力や温度差を利用する自然換気である場合が多く、給排気のバランスを保つことが難しいのですが、熱交換形換気扇は給排気をともに機械式にすることで、気密性の高い建物であっても、換気量を一定に保つことができるそうです。さらに、給気量と排気量を調整することにより室内圧力を調整でき、ドアが勢いよくバタンと閉まるようなこともなくなるそうです。

「ロスナイは排気用と給気用の2つのファンを搭載しています。給気するきれいな空気と、排気する室内の汚れた空気が交わらないよう、本体内部は紙の仕切板で完全に区切られ、常に新鮮な空気を室内に取り込みます。室内の空気を廃棄する際に、熱と湿度を紙製の仕切板が回収し、外気の取り込みと一緒に室内に戻すことで、熱エネルギーのロスを抑制します。換気によって室温が大きく変動しないため、空調負荷低減と空調に必要な消費電力の削減に役立ちます。また、付属の外気清浄フィルターの働きにより、室内への有害物質(花粉、PM2.5)の流入を抑制し、室内の快適性を向上させることが可能です」と佐々木さん。

ロスナイ換気(熱交換換気)の仕組み
ロスナイ換気(熱交換換気)の仕組み(三菱電機提供)
ロスナイ温度交換イメージ
ロスナイ温度交換イメージ(三菱電機提供)

「熱交換型換気扇」を設置するメリットとは

熱交換型換気扇を使用することにより、室内の暖かさや涼しさを留めたまま換気することができるため、冷暖房の効率アップが図れ、電気代の節約にもつながるそうです。

さらに外気清浄フィルターを搭載しているタイプのものは、給気の際に花粉やホコリなどをカットしてくれるため、花粉症やホコリ、ダニ対策にも効果を発揮。しかも換気のために窓を開ける必要がないので室内の音漏れや屋外の騒音を軽減することができるほか、防犯対策やプライバシーの保護にも役立つといいます。

通年の使用が理想的

暖房や冷房を使用していない季節でも、1年を通して24時間熱交換型換気扇の使用が理想的といわれています。

佐々木さんによると「排気ファンで室内の汚れた空気を排出すると同時に、給気ファンで外気を取り入れるので、1台で同時給排による計画換気(24時間換気)が行えます。また、熱交換を必要としない中間期(春・秋)や冷房期(夜間)でも、外気清浄フィルターで外気汚れを取り除きながら新鮮な空気を取り入れることが可能なため、オールシーズンでのご使用を推奨しています」とのこと。快適な室内環境を保つためにも24時間使用することが望ましいでしょう。

気になる電気料金は?

通年24時間使用した場合、やはり気になるのは電気料金です。

「熱交換型換気扇」を設置するメリットの一つとして、室内温度を一定に保つことで、換気によって生じる温度変化がなくなりエアコンなどの負担が軽減されることが挙げられます。

「例えば、ロスナイ熱交換換気と非熱交換換気(一般的な換気扇)を比較した場合、エネルギー削減効果(電気代換算)で、年間約4,300円の削減が可能です」と佐々木さん。

換気による冷暖房のロスが抑えられ、光熱費が抑えられることは大きな魅力といえそうです。

参考:ロスナイのエネルギー削減効果例

設置は各部屋が理想?動作音は?メンテナンスは?

新たに設置する場合は現在の換気扇や換気口を流用して設置します。換気扇の場合は、これまでの換気扇を取り外し、必要に応じた電気工事を行った後に設置します。換気口に設置する場合も専用パイプを通し壁面に設置することができます。いずれも専門業者による工事が必要です。

設置する箇所は、台所、トイレ、浴室などを除くリビング、寝室、子ども部屋など各部屋に設置することが理想です。メンテナンスに関してはメーカーや機種、フィルターの種類によっても異なりますが、24時間使用している場合は半年~1年に1度のフィルター交換やお手入れなどが必要とのこと。空気清浄機などと同じく常に清潔な空気をキープするためのメンテナンスは必須といえそうです。

動作音についても気になるところですが「就寝時にも気にならない約19.5dBの低騒音設計(VL-08ES3 弱ノッチ・60Hz運転時)です」(佐々木さん)。また、ペット(鳥・魚などを含む)を飼っていても問題なく使用できるそうです。

まとめ

室内の温度をキープしながら24時間効果的な換気ができる「熱交換型換気扇」。感染症対策だけでなく花粉症やホコリ、ダニのアレルギーの予防にも効果が期待できることに加え、電気代の節約にも繋がるなど、環境に優しい点も見逃せませんね。コロナ禍で換気に対する意識が高まっているなかで、注目の換気設備といえそうです。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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