文句のつけようがないが……
燃費は9km/リッターを上回り、悪くない数字である。高級感のある内外装で、操縦性と乗り心地のバランスがいい。室内空間は広く、乗員にとってはおもてなしの空間だ。安全装備も最新で、文句のつけようのない都会派SUVである。しかし、特筆することがあるのかと問われると困ってしまう。何というか、普通なのだ。ただし、とてつもなく高いレベルの普通である。
かつてのメルセデス・ベンツはセダンのイメージが強かったが、今はやはりSUVが主流となっている。そのラインナップのなかで、中心的存在がGLEだ。メルセデス・ベンツのセダン群が恐ろしく高水準のスタンダードだったように、今ではSUVが“新しい普通”のリーダーとして君臨しているのだと感じる。技術的な先進性を持つだけでなく、ニーズを正確に把握していることが重要だ。
4人組ダンスボーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」のヒット曲『オトナブルー』は、「わかってる ほしいんでしょ?」という挑発的な言葉で始まる。認めたくはないが、そのとおり。メルセデス・ベンツがGLEをマーケットに提示するのと同じ姿勢だ。トレンドを理解し、ユーザーのプライドをくすぐる方法を心得ているから、売れ筋モデルをつくることができる。
GLEは最先端のモデルというわけではない。インテリアで未来感を醸し出してはいるが、マイルドハイブリッドのディーゼルという平凡なパワートレインのクルマだ。メルセデス・ベンツは電動化に関して意欲的なロードマップを示しているものの、現状ではまだまだこういったモデルが求められていることを知っている。『オトナブルー』には、「そのうちじゃなくて 今すぐがいいの」という歌詞もあった。完全な電動化がもうすぐモビリティーの常識になるのかもしれないが、ユーザーが今すぐ欲しいのはGLEなのだ。
(文=鈴木真人/写真=郡大二郎/編集=藤沢 勝)
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