官僚の人事制度について考えるシリーズの最終回。「これからの官僚像」は見えてきたものの、今制度改革にもまれている現役官僚はどう生きていくべきか。ホワイト化に向けた「22時閉庁」も提案されるが、根本的な解決となるのか(構成=小林暢子、写真=稲垣純也)。
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海老原嗣生氏(以下、海老原):ここで話を戻しましょう。確かに今後、官僚がテクノクラートとして専門性を磨くことで大学教授や各党の政策ブレーンになるキャリアが開け、しかも働き方がホワイト化されたら楽しいだろうなと思いますよ。でも今は、過去の延長で「国を動かせる」と頑張り、嫌な言い方ですが、辞めた後は天下りで現役時代よりいい給与をもらえると思って入っている人が大半です。安い給与を我慢しなくちゃいけないけど、40年後は報われる、と。新しい体制が出来上がってから入ってくる人はいいですが、今働いている人はかわいそうすぎませんか。ズタボロになるまで働かされて、途中でルールが変わったから、「はい、あなたたちは天下りできませんよ。65歳まで隠忍自重と働くしかないのですよ」と言われるわけじゃないですか。
高嶋直人氏(以下、高嶋):つぶした後の姿を最終的に設計せずに今に至っていますね。経過措置もないままばっさりやったので、世代間格差はすごい。私の10歳ぐらい上から現職の管理職までは、歴史的に見ても最も運が悪い公務員と言えるでしょう。
海老原:もうしばらくしてテクノクラートとしてのきれいな未来が見えて、しかもホワイト化した後には、また人気職業になるかもしれないですが。
高嶋:そう思います。今回のコロナ禍をきっかけに、民間企業に就職する学生も「社会貢献やSDGsを重視している企業を選びたい」というマインドになってきたと聞きます。これはもしかしたら公務員人気の追い風になるかもしれません。「そのど真ん中をやっているのは公務員ですよ」と言えますから。でも実際のところはその風をうまく生かし切れていない。そういう風が起こっていても不人気、というのが今の霞が関なのです。
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