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Sunday, May 24, 2020

ママチャリで爆走!普通のお母さんが女子競輪界の「鉄人」になるまで(週刊女性PRIME) - Yahoo!ニュース

ニックネームは鉄人(アイアンマン)

 誰ひとり観客のいない川崎競輪場で静かに耳を澄ますと、観覧席にこだまする怒号にも似た観客の聲が聞こえてくる。

─兵(つわもの)どもが夢のあと

 残り1周半を告げる打鐘が鳴り響くと、選手たちは必死の形相で風を切ってバンクを駆ける。1周400メートルのすり鉢状のバンクを囲む競輪場は、さながら古代の円形闘技場コロッセウムのようだ。落車を恐れず激しく身体をぶつけ合った時代、競輪は格闘技とも言われ、この中で数々の名勝負が生まれた。

 そんな男の世界に2012年、半世紀ぶりにガールズケイリンが甦った。20代の選手が多い中、その一期生の中に規格外のモンスターがいた。

 高松美代子、当時50歳。

 いくら年齢制限なしのガールズケイリンとはいえ、闘志むき出しで突っ走る競輪は、瞬発力が問われる真剣勝負。高松の掟破りのチャレンジに同期の選手からつけられたニックネームは“鉄人(アイアンマン)”。

 しかし彼女は、昔から自転車レーサーを志していたわけではなかった。

「サイクリング好きの主人に誘われて自転車に乗るようになったのは30代になってから。トライアスロンや300キロレースにも参加するうちにガールズケイリン復活の噂を耳にしました。競輪学校に受かれば、毎日好きなだけ自転車に乗れる。そんな魅力に惹かれて、試験を受けてみる気持ちになりました」

 そのとき、高松は48歳。家族も驚く無謀とも思える挑戦。

 しかし競輪の神様は、鉄人の背中を押す。

─競輪選手を目指してからの毎日は、私の人生の中でいちばん輝いていたとき。

 そう呟く高松はガールズケイリン復活のシンボルとして、スポーツ界でも大きな注目を集める。しかしデビューの前も後も、高松の人生はチャレンジの連続だった。

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