CSでは逆転の虎よ-。岡田阪神が「2023JERAクライマックスシリーズ セ」のファイナルステージ第3戦で3連勝(アドバンテージ1勝を含めると4連勝)を決め、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。同点で迎えた6回、7番坂本誠志郎捕手(29)が2打席連続適時打となる決勝打を決めた。セ・リーグチームのファイナル無敗突破は5チーム目。ファイナルステージでの3試合連続逆転勝ちは両リーグで史上初の快挙だ。あかん、日本シリーズが待ち切れへん!

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短期決戦に弱かった第1次岡田政権は昔の話だ。猛虎がCS史上初となる3試合連続逆転勝ちで、無傷のファイナルステージ突破を決めた。シーズン同様の「普通の」岡田野球で、高校野球ばりの全員野球でぶつかってきた新井カープをはね返した。「最後は優勝チームとして負けられない気持ちがあったので、僅差ですけど勝ち切れたと思います」。指揮官は満面のお立ち台で胸を張った。

球団最速のリーグ優勝を果たした9月14日から1カ月以上が経過し、中33日でCS初戦を迎えた。「そら長いよ」。苦心して調整したが、やはり打線の実戦感覚は急には戻らなかった。それでも「目」は裏切らない。レギュラーシーズンでリーグトップの494四球を選んだ打線が、CSでも少ないチャンスをモノにした。ストライク先行の広島投手陣を相手にこの日、7四球を選んで追い込んだ。

10勝トリオの村上、伊藤将、大竹が第1戦から先発で試合をつくった。3人とも100パーセントの出来とはいえなかったが、「守りの野球」が粘りを生んだ。この日は2点リードの8回、1死から上本に三塁線を破られながら、セ・リーグ補殺王の左翼ノイジーが素早い返球で二塁打を阻止。中野にダイビングキャッチが飛び出し、2死一、二塁では代打松山の浅い飛球を右翼森下がスライディングキャッチした。3つの好守で勝利を決定づけ、指揮官は「紙一重のプレーと思うけど、最後、一番いいプレーができた」と納得顔だ。

05年はリーグ優勝から中22日の日本シリーズでロッテに4連敗。07、08年のCSもファーストステージで敗退。岡田監督はこれまで短期決戦で1勝8敗だった。今回の調整期間も「打者は難しい」と心配していたが、宮崎でのフェニックスリーグに主力全員を遠征させるなど手を尽くした。

3戦とも野手スタメン8人は不動。「代える必要ないやんか。珍しくない。それが普通やろ」。レギュラー固定の王道野球を貫き、若虎たちはますます強くなり続けている。胴上げもビールかけもなし。日本シリーズまでの通過点でしかない。「もうひとつ上のステージで勝ち上がれるように」。85年以来球団2度目、38年ぶりの日本一に挑戦する。【石橋隆雄】

▼阪神がアドバンテージの1勝を含め4勝0敗で、14年以来7度目の日本シリーズ出場を決めた。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで無敗突破は22年ヤクルト以来15度目になる。<1>戦から3連勝の阪神だが、3試合ともスコア0-1から逆転。ファイナルSで3度の逆転勝ちは05年ロッテ(<1>、<2>、<5>戦)に次いで2度目となり、3試合連続は初めてだ。また、阪神のV打は<1>戦が9番の村上、<2>戦が8番の木浪、<3>戦が7番の坂本。ファイナルSで7番以降の打者が3V打は初めてで、下位打線が活躍した阪神が3試合連続逆転でファイナルSを突破した。

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