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Tuesday, October 31, 2023

【天皇賞・秋】驚愕レコードもイクイノックスには“普通のペース ... - スポーツナビ

この日、東京競馬場では2度、大きなどよめきが起きた。1度目は武豊騎手が第5レース後の脱鞍に際し騎乗馬に蹴られて負傷するというアクシデントのためにドウデュースが乗り替わりになったこと。そして2度目はそのおよそ2時間後、天皇賞・秋の走破時計が電光掲示板に点灯した瞬間だった。

1分55秒2――。

 速い、なんてものではない。競馬ファン、関係者ならば誰もが驚愕する数字であり、それはルメール騎手も同様だった。

「時計を見たときはビックリしました!」

 ただ、実際にレースを体感したジョッキーの驚きと、見ている側の驚きの“質”は若干異なっている。共同会見でルメール騎手は今回のイクイノックスの走りとレースのペースについての実感をこう明かした。

「イクイノックスは向こう正面で落ち着いてくれたし、ハミを落として自分のペースで走ることができました。普通のペースだと感じていて、イクイノックスはトビもスムーズでしたし全然力を使っていないから3番手でちょうど良いペース。だから、こんなに速いペースだと思っていなかったです」

 外枠からジャックドールが果敢に飛ばして前半1000mが57秒7。これだけでも相当に速い時計であるのに、当のイクイノックスにとっては“普通のペース”だというのだ。そして、これだけの速い流れの中を3番手で追走しながら、さらにスピードアップした後半1000m57秒5という激流の中を余裕たっぷりに差し切ったのだから、これはもう驚きを通り越して、もはや恐ろしさすら感じてしまう。そんな、傍から見れば神がかりのレースであっても鞍上の体感としては「全然オーバーペースではなかった」。だから、ルメール騎手の「驚いた」というのは単純に「時計が速くてビックリ!」ではなく、「こんなに速い時計が出ているとは思っていなかった」という意味での「驚き」だったのだ。

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