Pages

Monday, July 24, 2023

【NHK健康】【患者体験談】低血糖をデジタルデバイスで回避 - nhk.or.jp

1型糖尿病になったとき -私のチョイス-

1型糖尿病になったときの私のチョイス

体力自慢だったのに 50代で突然1型糖尿病に

現在、妻と二人暮らしのAさん(79歳)。中学時代は山登り、社会人になってからはテニスやゴルフと、とにかく体を動かすのが好きで、30代の頃にはスキーで国体にも出場しました。
そんな健康自慢のAさんを異変が襲ったのは55歳のとき、出張先へ向かう機内でした。

「喉がすごく乾いた。でも、水を飲むたびにもどしてしまった」

嘔吐とめまいを感じながらも、その日は仕事をこなしたAさん。ところが翌朝、宿泊先ホテルで食事をとろうとレストランに向かうと、めまいでまっすぐ歩くこともできなくなっていたのです。心配した同僚が救急車を呼び、病院へ運ばれて検査を受けると、推定血糖値が1,700mg/dLもありました。

「普通の測り方では測れなかった。高血糖昏睡状態に陥るぐらいの値だと言われた」

診断の結果は「1型糖尿病」でした。

1型糖尿病とは

1型糖尿病は免疫細胞がβ細胞を攻撃する病気
インスリンがほとんど分泌されなくなり血液中に糖が過剰に増えてしまう

1型糖尿病は、自分の体を守るはずの免疫細胞が、すい臓でインスリンを作る細胞「β細胞」を攻撃する病気です。β細胞が壊れてインスリンがほとんど分泌されなくなり、その結果、血液中に糖が過剰に増えてしまうのです。

難しいインスリン自己注射

インスリン自己注射を打つ写真

「医師からすい臓を移植するか、一生インスリン注射を打ち続けるしかないと言われて、ショックを受けた」

入院中、インスリンの点滴治療を受けたAさん。退院後は、食事前に打つ効き目が早いタイプと、夜寝る前に打つ効き目が長く続くタイプの2種類のインスリンの注射を打つことになりました。しかも、打つインスリンの量は、現在の血糖値とこれから食事でとる予定の糖の量を計算して決めなければいけません。そのため、打つ前には毎回、自分で指に針を刺して血液を採取し、血糖値を測定する必要があるのです。

適切な量のインスリンを正確に打ち続けるのは難しいことでした。打つインスリンの量が多すぎると、「低血糖」、つまり血糖値が下がりすぎてしまうことがあるからです。例えば、運動をして糖を使っているのに、いつも通りインスリンを打つと低血糖になってしまいます。
Aさんは、低血糖のために救急車で病院に運ばれたこともありました。さらに、3年前に退職した後は、夜中寝ている間に意識障害を起こすような症状が重い低血糖になる頻度が増えました。1型糖尿病の人は、活動量が減るなど生活スタイルが変わるタイミングで、インスリンの打ち方を調整する必要があるのです。

頻発する低血糖を防ぐためのチョイス「SAP療法」

頻発する低血糖を防ぐためSAP療法

低血糖による意識障害を防ぐため、Aさんは「SAP(サップ)療法」をチョイスしました。皮膚に貼ったセンサーで、血糖値に相当する皮下の糖の濃度を持続的に測定。そのデータを使って、体に装着した機器から適切な量のインスリンを体内へ自動的に送り込む、デジタルデバイスを使った方法です。変化の様子はグラフで確認することができ、低血糖になりそうなときは、アラームを鳴らして知らせてくれたり、インスリンの注入を自動で止めてくれたりします。

「低血糖になったらすぐに自分で手を打てる。これは非常に便利なんですよね」

SAP療法を開始してからは、低血糖で意識を失うようなことはなくなったAさん。今では、安心して趣味の運動やコーラスグループでの活動を楽しむことができるようになりました。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 【NHK健康】【患者体験談】低血糖をデジタルデバイスで回避 - nhk.or.jp )
https://ift.tt/6eSaOMs
普通の

No comments:

Post a Comment