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スペインGPで角田裕毅選手が5秒ペナルティ…P9から12位に降格
スペインGP決勝からすでに1週間が経とうとしていますが、モヤモヤした気持ちがどうにも晴れません。角田裕毅選手のペナルティを、改めて検証してみようと思います。
問題のシーンはレース終盤56/66周目、右左と連続するターン1、2の攻防でした。1コーナーのブレーキングでチョウ・グァンユ選手がアウト側から被せていき、2ワイドのまま2コーナーへ。
ここでチョウ選手がコースオフ。チーム無線で「押し出された!」とアピールして、角田選手に5秒ペナルティが科されました。
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レース後の2人のコメントは「厳しすぎるペナルティだと思う。スペースはあったのに、押し出されたように振る舞った。あのままコースにとどまれたはずだ」(角田)、「避けなければ、クラッシュしていた」(チョウ)と、まったくの正反対でした。
スチュワードが下した5秒ペナルティの根拠は「ターン1の進入で前に出ていたチョウに優先権があった」「にもかかわらず角田はチョウを押し出した」というものです。
56周目のターン1で問題のシーンが起こる
チョウの車載映像を見直すと、確かに1コーナーのブレーキング以降、アルファロメオが先行したまま、ステアリングを右へと切って、エイペックスへと向かっています。
ただしターン1に向かう2台の進入を後方から捉えた映像では、チョウの被せ方が明らかに少ない。角田選手側の目線からすれば、前方に十分なスペースがありました。なのでスロットルを戻して、自ら引く必要は感じなかったはずです。
実際、1コーナーのエイペックスからの立ち上がりは角田選手の加速が優り、チョウ選手にほぼ並んでいます。
一方でエイペックスからの立ち上がりを前方からの映像で確認すると、アウト側のチョウ選手の方がステアリングを切れている。それに対して角田選手は、ややアンダーステア気味でチョウ選手に向かって膨らんでいます。
押し出したとの裁定も、これはバトルの範疇では
そのまま行けば走行ラインが交差するのは間違いなく、アルファロメオの車載映像では、アルファタウリが幅寄せしているように見えます。それでチョウ選手は反射的に、コース外に逃げたのでしょう。「押し出された!」という叫びは、ペナルティを目論んだものというより、思わず出た言葉だと思います。
ただしその直後には角田選手もステアリングを切って、しっかりラインを修正しています。なので2台が並んだまま2コーナーに向かっていった場合、本当に接触したかどうかは微妙なところです。
と、改めて映像を見直しての感想は「2人の攻防は、完全にレースでのバトルの範疇」だということです。結果的にチョウ選手はコースオフしましたが、角田選手が無理なライン取りや露骨な幅寄せをしたわけではない。これでペナルティを取られたら、コース上で仕掛けることなどできなくなります。
この週末のスチュワードの一人は、1980~90年代にF1で活躍したデレック・ワーウィックでした。フットワークで鈴木亜久里とチームメイトだった彼の現役時代は、この種のバトルでペナルティ裁定が出ることなど、なかったように記憶します。
戦略の選択もレース展開を大きく左右
それにしても残念に思うのは、34周目の2回目のピットインです。このレースでの角田選手のロングランペースは素晴らしく、前戦モナコGPでは3位表彰台にも上がった、アルピーヌのエステバン・オコンを追い回す展開。何度もDRS圏内に入っていました。
しかしアルピーヌに最高速で及ばず、最終コーナー立ち上がりで引き離されて抜けないという展開でした。それでチーム側はアンダーカットを狙って、まだペースの落ちてない第2スティントのハードタイヤを捨てて、早めのピットインを指示しました。
その戦略は実際に当たって、角田選手はオコンの前に出ることに成功します。しかしメインストレートでDRSを使われて、あっさり抜き返されてしまいました。こうして早めに2回目のピットインをこなした角田選手は、チェッカーまでの32周をミディアムで走り切る必要に迫られたわけです。
56周目のターン1は、そのタイヤマネージメントの隙を突かれて一気にチョウ選手に迫られたのでしょう。もしチームが前を行くオコン攻略ではなく、後方のチョウやオスカー・ピアストリに抜かれない戦略を取っていたら、2回目のタイヤ交換は40周目前後だったはず。
そうすれば終盤のミディアムでのペースももっと上がり、チョウ選手の脅威に晒されることなく9位でチェッカーを受けられたのではないかと。まあ、あくまで「たら、れば」ではありますが。
AT04はアップデート効果が出ている印象
とはいえ、総合力が問われるカタルーニャ・サーキットでトップ10を狙える速さを披露できたのは、大きな好材料でした。また改めて言及するつもりですが、アルファタウリの車体アップデートは、確実に効果が出ている印象です。
今回の結果は非常に残念でしたが、角田選手の今後さらなる活躍を、十分期待していいと思います。
文・柴田久仁夫(しばた・くにお)
1956年静岡県生まれ。1980年代よりフランス・パリを拠点とし、TV番組制作の現場で手腕を振るう。1987年よりF1の世界にも足を踏み入れ、それ以来数々のレースを取材してきた。訪れたサーキットでは素足でトラックの感触を確かめるというライフワークも行っている。2016年より本拠地を東京に移し、現在は『DAZN』のモータースポーツ中継でも解説を務める。
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【レース情報】
F1 第9戦:カナダGP※日本時間
6月17日(土)2:30~フリー走行1回目
6月17日(土)6:00~フリー走行2回目
6月18日(日)1:30~フリー走行3回目
6月18日(日)5:00~予選
6月19日(月)3:00~決勝
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日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月3日(金) ~4日(土) | 3月5日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月17日(金) ~18日(土) | 3月19日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月31日(金) ~ 4月1日(土) | 4月2日(日) |
第4戦 | アゼルバイジャンGP | 4月28日(金) ~ 29日(土) | 4月30日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月5日(金) ~ 6日(土) | 5月7日(日) |
第6戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月19日(金) ~ 20日(土) | 5月21日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月26日(金) ~ 27日(土) | 5月28日(日) |
第8戦 | スペインGP | 6月2日(金) ~ 3日(土) | 6月4日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月16日(金) ~ 17日(土) | 6月18日(日) |
第10戦 | オーストリアGP | 6月30日(金) ~ 7月1日(土) | 7月2日(日) |
第11戦 | イギリスGP | 7月7日(金) ~ 8日(土) | 7月9日(日) |
第12戦 | ハンガリーGP | 7月21日(金) ~ 22日(土) | 7月23日(日) |
第13戦 | ベルギーGP | 7月28日(金) ~ 29日(土) | 7月30日(日) |
第14戦 | オランダGP | 8月25日(金) ~ 26日(土) | 8月27日(日) |
第15戦 | イタリアGP | 9月1日(金) ~ 2日(土) | 9月3日(日) |
第16戦 | シンガポールGP | 9月15日(金) ~ 16日(土) | 9月17日(日) |
第17戦 | 日本GP | 9月22日(金) ~ 23日(土) | 9月24日(日) |
第18戦 | カタールGP | 10月6日(金) ~ 7日(土) | 10月8日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月20日(金) ~ 21日(土) | 10月22日(日) |
第20戦 | メキシコシティGP | 10月27日(金) ~ 28日(土) | 10月29日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月3日(金) ~ 4日(土) | 11月5日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月16日(木) ~ 17日(金) | 11月18日(土) |
第23戦 | アブダビGP | 11月24日(金) ~ 25日(土) | 11月26日(日) |
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