今季限りでの現役引退が発表された中日福留孝介外野手(45)が8日、名古屋市のバンテリンドーム内で会見を開いた。
球界最年長の福留はユニホーム姿で会見に臨んだ。予定の午後2時より早く入室し、報道陣に「ちょっと早すぎたか」と笑いかけるなどリラックスした表情。会見に先立ち、サプライズで大島洋平外野手(36)、大野雄大投手(33)ら同僚から花束を渡され、記念撮影に応じた。背番号1を継承した京田陽太内野手(28)も2軍から駆けつけた。
「寂しさもありますが、必ず誰しもが通る道。いずれ自分にも来ることは分かっていた。毎年、この年齢になって野球をやっている以上、常にそのつもりでやってきた。その中で今年、最初から使っていただき、結果も出ませんでしたし、気持ちの中では意外と早い段階で決めていた。これから、子どもたちとも時間ができるし、普通の父親に戻れる部分かなとも思う」と笑みを浮かべた。
24年間の現役生活を振り返り「楽しかった思いが強いですね」と強調した。
球団にはつい最近伝えたという。中日立浪和義監督(53)にも報告した。鹿児島からPL学園(大阪)進学を決め、中日入団を希望した理由も、同校OBで中日で活躍した立浪監督の存在があったから。
「最初から最後まであこがれの存在であったことは間違いない。最後、その方の力になれず、悔しさがある。先日、話をさせていただいて『逆に力になれず申し訳ない』と言われた。力になれなかったのは僕。言葉をかけていただいて、ありがたかった」。終始笑顔だった会見で、この時は少し目を潤ませたように見えた。
今季は開幕から23打数1安打と結果が出せず、6月から2軍調整が続いていた。
誇れる数字を問われると「プロに入る時に2000本という数字は何とか達成したいと思っていた。日米合算だが達成できたのはよかったのかなと思う」と答えた。
「自分でユニホームを脱ぐと決めたので、あまりやり残したことはない。すっきりしています」と話し、現役生活を支えた原動力については「単純に野球が好きだったということ。僕はそれだと思っています。何をしていても楽しかった。うまくなったから楽しいではなく、うまくなりたいという気持ちを持って野球をやっているのが楽しかった」と、晴れやかな表情を浮かべた。
23日からの巨人3連戦(バンテリンドーム)で引退試合が用意される予定。日米通算2450安打、327本塁打を刻んだ強打者が、愛着のある本拠地で24年間の現役生活に終止符を打つ。
PL学園で活躍し95年ドラフトでは7球団が1位指名で競合。近鉄が交渉権を獲得したが、入団を拒否して日本生命入り。98年ドラフトで逆指名で中日入りした。
首位打者を2度獲得するなど中日で3度優勝。06、09年のWBCでは世界一に貢献した。07年オフにカブスにFA移籍。13年に阪神で日本球界に復帰し、昨年から再び中日のユニホームに袖を通した。
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