旧統一教会の信者はなぜ多額の献金をしてしまうのか。北海道大学大学院文学研究科教授の櫻井義秀さんは「信者たちは自分で考え、判断することを悪とみなすようにマインド・コントロールされている。これは戦前の軍隊や、ブラック企業など、一般社会でも見られる手法だ」という――。
※本稿は、櫻井義秀『霊と金』(新潮新書)の一部を再編集したものです。
「子供や孫が泣いている姿」でマインド・コントロールが解ける
Aさんは2003年に旧統一教会を脱会した。きっかけは家族の説得であった。
Aさんの子供達は、多額の献金がなされている事実を知り、旧統一教会をやめて元の母親に戻ってほしいと真剣な話し合いを持った。
次男の「仕事を辞めてもいいのでじっくり話したい」という並々ならぬ決意を感じて、Aさんは子供達と数日間話し合いを行い、旧統一教会の実態を知らされたのである。
その間、子供達は話し合いに専念するために孫3人をよそに預けていた。
Aさんと子供達との話し合いが終わり、連れてこられた孫達が親にすがりついて泣いている様を見て、Aさんは孫達に寂しい思いをさせてしまった自分の姿が客観的に見えたという。
つまり、自分は子供達、孫達のためによかれと思ってやってきたことだったが、そうではなかったのではないか。これほどまで子供や孫達を悲しませてしまった自分の愚かさと申し訳なさに涙し、その瞬間に旧統一教会のおかしさが分かったと語る。
教団から追放後「暴漢に襲われる」
一般的に、旧統一教会信徒が脱会する道筋は大きくわけて3つある。
第一に自主脱会。教団への疑念が脹らみ継続しがたくなるもので、入信初期に辞めるパターンが多い。
第二に教団からの追放。旧統一教会の日刊紙「世界日報」の編集局長であった副島嘉和は、本部との路線対立から解任され信者の籍を抹消された後、『文藝春秋』(1984年7月号)に旧統一教会の暴露記事を掲載した。その直後、暴漢に襲われ重傷を負ったが、このようなケースは稀である。
第三に、Aさんのように家族の話し合いにより認識の枠組みや生活態度が旧統一教会モードから現実生活のモードに一変するというパターンである。俗にマインド・コントロールが解けるともいい、長期間信者であった人が辞めるケースとしては一番多い。
からの記事と詳細 ( 旧統一教会の教えはブラック企業と同じ…普通の人を「よろこんで献金する信者」に変える3つの原則 「閉鎖性が強く、権威主義的な組織」が判断力を奪う - PRESIDENT Online )
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