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Wednesday, December 1, 2021

センテナリアンが亡くなる前の医療費は普通の高齢者よりも低い - 日経メディカル

 国立保健医療科学院の中西康博氏らは、100歳以上の長寿者(センテナリアン)の医療費を、75~99歳で亡くなった高齢者と比較するコホート研究を行い、センテナリアンの方が死亡前1年間または30日間に要した医療費の総額が低く、入院する人の割合も低かったと報告した。結果は2021年11月5日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 100歳未満の人と比較すると、センテナリアンには障害を有する人が多いが、重篤な疾患にかかっている期間は、普通の高齢者より短い傾向にあることが報告されている。健康なまま長生きし、重篤な疾患の罹病期間が短いとすれば、通常の高齢者よりも医療費が少なくて済む可能性がある。しかし、センテナリアンの医療費について検討した研究は、これまでほとんどなかった。そこで著者らは、日本のセンテナリアンと100歳未満で亡くなった高齢者の、死亡前1年間の医療費を比較する後ろ向きコホート研究を行うことにした。

 コホートの組み入れ対象は、2013年4月から2018年3月に後期高齢者医療制度の対象に含まれていた75歳以上の奈良県民だ。国民健康保険と介護保険のデータを利用して、2014年4月から2018年3月までに死亡した人が、死亡前の1年間に保険から支出されていた医療費と入院日数を調べ、センテナリアンと75~99歳で亡くなった高齢者を年代別に比較した。

 2015年の国勢調査データでは、奈良県の人口は約136万人で、65歳以上の高齢者が38万8614人(28.7%)、75歳以上が18万549人(13.3%)と報告されている。さらに100~104歳のセンテナリアンは667人、105~109歳のセミスーパーセンテナリアンが47人、110歳以上のスーパーセンテナリアンも1人いた。

 主要評価項目は、入院中と外来(在宅医療も含む)での治療に関係した医療費とし、5歳階級刻みの年齢と性別で分類して比較した。医療費は2015年当時の為替レートを用いて、1ドル120円として米ドルに換算した。

 2014年4月から2018年3月までに、75歳以上の奈良県民3万4317人(男性47.2%、女性52.8%)が死亡していた。死亡時の年齢が100~104歳だった人は872人(2.5%)で、このうち131人(15.0%)が男性で、741人(85.0%)が女性だった。105~109歳で亡くなった人は78人(0.2%)で、男性は10人に満たなかった(国民健康保険の請求データは、米国のCenter for Medicare and Medicaid Servicesのcell size suppression policyに合わせて、集計単位が10人未満の場合は公開されない)。

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