ルールメイキングプロジェクト
今、全国各地の学校や自治体で、校則の見直しが急速に進んでいます。地毛証明の提出や、下着の色の統一とそのチェックなど、人権侵害に当たる可能性のある校則については厳しく見直していくのはもちろんのこと、その最も重要なポイントは、生徒たち自身が校則の見直し等に積極的に関わっていくことにあります。 多くの実例の中から、今起こっている動きをいくつかご紹介してみましょう。 まずは、認定NPO法人カタリバが進めている「ルールメイキングプロジェクト」。経済産業省が推進する「未来の教室」の実証事業にも選ばれ、今、多くの学校で、生徒たちが自ら学校づくりや校則の見直し等に関わっていくプロジェクトが立ち上がっています。 その中の一つ、広島県の安田女子中学高等学校は、県内でも最も厳格な校則で知られる学校でした。保護者や地域の人たちも、長らくそれを「安田らしさ」と感じていたとのこと。 そんな中、20名ほどの有志が集まり、校則を見直すプロジェクトが始まりました。生徒も先生も、みんながもっと過ごしやすい学校にするにはどうすればいいか。生徒たちは何度も対話を重ね、先生や保護者らも巻き込み、校則を見直していきました。 岩手県の大槌高校も、長らく服装や頭髪指導が非常に厳しい学校でした。しかしこのプロジェクトを通して、生徒と先生が一緒に校則を考える委員会が立ち上げられ、結果、靴下の色の指定の廃止が実現したり、下校時のジャージ着用が可能になったりもしました。 先日、安田と大槌の生徒たちも招いての、校則について考え合うオンラインシンポジウムが開催されました。私も登壇し、生徒たちと対話をしましたが、「自分たちの手で学校は変えられるのだ」「自分たちの社会も人生も、結局は自分たち自身で切り開くべきものなのだ」という彼らの言葉に、若者たちのたくましさを感じさせられました。 このシンポジウムでは、「でもそうは言っても、生徒の自主性を尊重したり、生徒たちに学校づくりを任せられたりする学校は、優秀な進学校でないと難しいのでは?」という声が参加者から寄せられました。 その時、すでに登壇を終えていた大槌高校の生徒が、「ちょっといいですか」とパネルディスカッションに乗り込んできました。 「大槌高校の偏差値は43です。進学校かどうかは関係ありません」。 400人もの聴衆が集まる中での、その堂々とした態度に、私たちは思わず喝采を送りました。
からの記事と詳細 ( 自らの手で校則を変えた「普通」の生徒たち(教員養成セミナー) - Yahoo!ニュース )
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