リモートワークを効率化するためには1台のノートPCを職場でも出先でも自宅でも使い回せるのが理想的。さらに、出先ではノートPC単体で、オフィスや自宅の書斎では大型ディスプレイやデスクトップPC用のキーボード、マウス、外付けストレージ、ヘッドセットなどを接続して、デスクトップPCのように使い勝手のよい作業環境を作りたい。
しかしながら、出先から戻るたびに多数のデバイスのケーブルを接続し直すのは現実的ではない。そこで注目したいのが「USBドック」や「USBマルチハブ」。ACアダプタまで含めた周辺デバイスをこれにつないでおけば、ノートPCにUSBケーブルを1本挿すだけで、すべてのデバイスの接続と給電を実現できる。
筆者は6コアのモバイルノートを常用しており、処理速度に不満はないのだが、13型の画面は目が疲れるし、モバイル仕様のキーボードでは入力速度が上がらないし、1日作業するとかなり肩がこる。しかし、ドック経由で外付けの大型4Kディスプレイとゲーミングキーボード、マウスをつないでからは作業領域が一気に広がり、書類作成も低ストレスで行なえるようになった。
出先でPCを使いたいさいには同じデータを持ち出せるので、「データをデスクトップPCからノートPCにコピーし忘れた!」、「ネットワークにつながらないからクラウドからダウンロードできない……」といったミスとも無縁になり、まさによいことずくめ。仕事の効率が明らかによくなったと感じる。
この企画では、デル製のUSBドック/マルチハブを使った実際のPC環境を見ながら、導入のポイントをチェックしてみたい。あれもこれもできるよくばりなリッチプランと、投資やスペースを押さえながらも作業効率を大きく改善するシンプルパターンの2つの例を考えてみた。テレワークにおける自宅のPCデスク、フリーアドレスを含めたオフィスのPC環境療法に応用できると思うので、参考にしていただきたい。
なお、各プランでデル製のドックやマルチハブを使っているが、これらはデル製以外のPCと組み合わせても使うことができる。ただし、周辺機器メーカー製のドックやマルチハブと同じく、相性問題で動作しないことがあっても保証の対象外だ。
オフィス利用で注目したいMACアドレスパススルー
有線LANポートを持つドックやマルチハブはPC本体とは別に固有のMACアドレスを持っている。これによってネットワークに接続されたドック/マルチハブの個体認識が可能になる一方で、PC側のMACアドレスを認識できなくなってしまい、ネットワークに接続されたPCをMACアドレスで識別している環境では問題となることがある。たとえばフリーアドレスのオフィスで各席にドックを設置すると、現在どのPCが社内ネットワークに接続されているのかが分からなくなってしまう。
筆者もそうした管理を行なっている現場で作業したことがあり、業務の必要上から有線LANポート付きドックの導入を申請したものの、なかなか認めてもらえなかった経験がある。これはセキュリティのルールに沿わないので当然の対応と言えるのだが、管理者や経営者だってドックやマルチハブの導入で生産性が上がるのならば、その可能性をつぶしてしまいたくはないはず。
そんな場合、とくに管理者に注目してほしいのが、D6000やDA310などに搭載されている「MACアドレスパススルー」機能である。
この機能を使うと、ドックやハブにPCを接続すると、そのMACアドレスがPC側のMACアドレスで上書きされる。管理者側は、PCを直接ネットワークに接続した場合と同じように、接続されたPCをMACアドレスで識別できるようになる。
また、この機能は対応するデル製のPCと組み合わせたさいに利用することができ、PC側はUEFI(いわゆるBIOS)設定で同機能を有効にする必要がある。
ドック、マルチハブは拡張ポート不足を補うだけの存在じゃない! ノートPCの使い方を変えて、仕事環境を進化させよう
USBドック、マルチハブによるノートPC環境の強化策、いかがだっただろうか。すでにデスクトップPC環境を併用している方なら、デスクトップのよさもノートのよさも実感しているはず。そのいいとこ取りができるのが今回のプランだ。デスクトップ側の周辺機器を流用すれば、ドックやハブへの投資だけで環境を実現できる。
ノートPCだけ使っている方も、作業効率は改善し、疲労は軽減するので部分的にでも導入を試してみることをオススメする。筆者として強く主張しておきたいのは、電源まで含めてケーブル1本で接続できる点だ。この簡便さがなければ、ノートの持ち運びと多数の周辺機器の接続の両立はなかなか難しい。そして、その解決の答えがUSBドックとマルチハブなのである。
製品名 | Thunderbolt Dock WD19TBS | Universal Dock D6000 | USB-C モバイルアダプターDA310 | モバイル アダプター スピーカーフォンMH3021P |
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直販価格(税別) | 3万4,700円 | 2万6,800円 | 1万1,900円 | 2万1,600円 |
PC接続インターフェイス | USB Type-C/Thunderbolt 3 | USB Type-C/USB 3.0 | USB Type-C | USB Type-C |
拡張インターフェイス | DisplayPort ×2、USB(Type-C、DisplayPort対応)×1、HDMI 2.0b×1、Thunderbolt 3×1、USB 3.1(Type-C)×1、USB 3.1(Type-A)×3、1000BASE-T×1 | DisplayPort ×2、HDMI×1、USB 3.1(Type-C)×1、USB 3.0(Type-A)×4、1000BASE-T×1、オーディオコンボ、オーディオラインアウト | DisplayPort ×1、USB(Type-C、DisplayPort対応)×1、HDMI 2.0×1、Dsub 15ピン×1、USB 3.1(Type-A)×2、1000BASE-T×1 | USB 3.1(Type-C、DisplayPort対応)×1、HDMI 2.0×1、USB 3.1(Type-A)×2 |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 205×90×29mm | 78×168×30mm | 69.8×69.8×24.5mm | 119×119×32mm |
重量 | 585g(ACアダプタ除く) | 380g(ACアダプタ除く) | 80g | 214g |
からの記事と詳細 ( デスクトップも敵じゃない!? テレワーク最強ノートPC環境を作るカギは「USBドック」&「マルチハブ」だった! - PC Watch )
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