「調子乗り世代だけど、もう30超えてるんで」
ジェフユナイテッド千葉は7節を終えて3勝4敗の12位。ここ2試合は東京ヴェルディとヴァンフォーレ甲府に1-2という同じスコアで連敗している。安田理大は「これ以上、落とせない。連敗したけどまだ行けるとか、終わったことは仕方ない、前を向いていこう、と言ってるとリーグは終わっちゃうんですよ」と事実をズバリと言い放つ。ベテランならではの敏感さで危険信号を感じ取っている。 安田の再開後2度目の先発となった甲府戦は、前半は悪くなかった実感がある。 「いままでと違って自分たちがボールを持つ時間が長かったし、セカンドボールも拾えてクロスからもいい形を作れたけど、点が取れなかったのが課題ですね。相手が引いていたから持てたというのもあるし、相手の出方によって展開が変わる中でこの前の前半は良かったと思う。あとは点が取れれば最高でしたね」 それでも結果は残酷にも黒星だ。特に、後半開始間もない49分に、甲府の新井涼平のロングシュートが千葉の選手2人に当たってゴールに飛び込んでしまうという不運も重なった最初の失点を悔やんだ。 「J2はそういうものだと思うし、いい内容でサッカーしててもセットプレーで1点決められて勝敗を左右したり…要は一瞬のスキですよね。ハーフタイムには後半も集中して入ろうと言っていたのに悪くて、いつもなら入らないようなものが入ってしまう。本当にもったいないと思う」 次はアウェーのモンテディオ山形戦。会場となるNDソフトスタジアム山形には実はいい思い出が眠っている。アルビレックス新潟に所属していた2018年、1-1で迎えたアディショナルタイムに豪快なカウンターから決勝ゴールを決めて勝ち点3をもぎ取っているのだ。 「ああいうゴールを決めると、スタジアムにいい思い出が残って相性がいいと思ってしまうんだけど、いまはチームが連敗しているので、あんまり調子に乗らないようにしたい。調子乗り世代だけど、もう30超えてるんで。まあ、いい具合に調子に乗ってああいうゴールが出ればいいと思うし、それ以外の部分ではしっかり締めて、チームの勝利のために頑張りたいと思います」 そんな風に笑うのだが、いや、もしかすると調子に乗るぐらいがちょうどいいのかもしれない。サガン鳥栖時代には尹晶煥監督の下でプレーしている。根っからの明るい性格。であれば、チームの空気を明るくしながら、監督と選手を上手にリンクさせる役割にうってつけではないか。 「一番はしっかり声を出して周りを動かすこと。鳥栖のときに尹さんとやってるので理解度が周りより高くなきゃおかしいし、流れの中でこういうプレーをするべきだと声を出していきたいですね」 「監督が代わった1年目はどのチームも難しい。監督は大きい戦術の部分は言うけど、みんな考えすぎちゃってるところもある。グラウンドの中で判断していくのは自分たちだと思うし、ちょっとまだ戸惑いが見えるから、声でカバーしてあげたり気持ちよくプレーさせてあげるのはオレがしていかないかんと思う」 2018年の山形戦のゴールが生まれたのは、J2第24節、7月21日のことだった。ちょうどいまと同じ季節だ。「再現」に期待が集まらないわけはない。
サッカーマガジン編集部
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July 27, 2020 at 11:41AM
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