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(写真:Shutterstock)
今回は感情の赴くままに書く。なので、読んだ方も感情の赴くままに考えて欲しい。
「まず、俺は誰も責める気はない。文句を言うつもりもない。これが差別だとかどうとかそんなの本当にどうでもいい話」
これは6月15日に、東北楽天ゴールデンイーグルスのオコエ瑠偉選手が「自分のものすごく嫌だった過去」を、ツイッターでさらけだした際に、冒頭に書かれていた言葉だ。
オコエ選手が「周りと違うと初めて認識させられた」のは、保育園で先生が「みにくいアヒルの子」を読んでくれたときの周りの子供たちのまなざしだった。うつむき耳をふさぎ、孤独を感じたオコエ選手は、その後も“心が無くなる瞬間”をたびたび経験する。
「親の似顔絵を書くとき、顔は肌色で描きなさいと言われた」
「おまえの家で虫とか食うんだろうと罵られた」
「甲子園に黒人は出るなとか聞こえてきた」……etc.etc
「ここから飛び降りて生まれ変わって、普通の日本人になれるかな、と考えていた。今となっては、この普通とはなんだろうといまだに考えている」「心が無くなるのは本当に怖い」──。
そして、3ページにわたるオコエ選手の“嫌だった過去”は、こう締めくくられた。「今後、自分の子供ができて同じ経験をさせないようにするにはどうすればいいのだろう。と考えている人。そういう人たちの共感につながればいいな」と。
#BlackLivesMatter のハッシュタグが付けられたこの投稿は、6月22日現在で19万3000件の「いいね」が付き、5万2000件リツイートされている。このツイートはさまざまなメディアでも取り上げられたので、ご覧になった人も多いかもしれない。
一方、オコエ選手はメディアが、「楽天オコエ、差別受けた過去明かす」という見出しを付け報じていることに対し、ツイッターを更新し、「メディアがこうやって勝手に差別とかいうけど、日本人一部にとって差別って言葉自体刺激的だし、これが差別なのか俺でも分からないから俺は使わない」と記している。
米国に端を発した差別反対の動き
差別。確かに刺激的な言葉だ。なのに「差別された」「差別されてんだよ」などと、この言葉を日常的に使うこともある。「それ差別だろ?」とののしれば、「差別じゃないよ、区別だよ」と言い返されることも。学歴差別、男女差別、年齢差別など、理不尽な差別に悩み、苦しむ人たちもいる。
オコエ選手の投稿は、#BlackLivesMatter のハッシュタグが付けられているとおり、白人警察官による米ミネソタ州の黒人暴行死事件が引き金となった全米の抗議デモに関連して、「自分のものすごく嫌だった過去」を書いたものだ。
亡くなったミネソタ州の男性の最期の言葉は、“I can't breathe”。男性は警官らに首と背中を圧迫され続け、脳への血流が止まって死亡し、事実上の即死状態だった。現場にいた警察官4人全員が懲戒解雇され、起訴されている。
これまでも黒人男性が警察官に射殺される事件は繰り返された。今回の抗議デモの最中も、米ジョージア州アトランタのハンバーガー店で黒人男性が射殺された。どれもこれも不合理な事件で、そこに「黒人の人権」はなかった。
相手が黒人だから発砲しているんじゃないのか。黒人の命を軽んじてるんじゃないのか。400年前にアフリカから黒人を「奴隷」として買ってきた時代は、とっくに終わっているのに、黒人の「生きる意志」さえ奪う人たちが後を絶たない。
つまり、#BlackLivesMatterとは、言葉が示す通り「命」の問題なのだ。
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June 23, 2020 at 03:07AM
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黒人差別問題から省みる日本人の「普通」地獄 - 日経ビジネス電子版
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