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Friday, April 10, 2020

「普通の人は新型コロナ現金支給の対象外に」が示す社会の分断の行先=茂住政一郎・横浜国立大学准教授【週刊エコノミストOnline】(mainichibooks.com) - Yahoo!ニュース

 ◇薄い受益感 他者への不信招く

 日本において、平均的な所得階層であり、政治的多数派かつ主たる財源負担者である中間層の衰退が懸念されて久しい。厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、2018年の中位所得は、1992年の549万円から423万円に低下し、18年の平均所得(551・6万円)以下の所得しか得ていない世帯は62・4%に上る。また今後、育児や教育、医療や住宅などに関連する費用負担に加え、社会保険料・租税負担の増加に日本の中間層が直面することが予想されている。ここに新型コロナウイルスの感染拡大に伴う混乱が加わり、中間層の負担感、経済的不安の一層の高まりが予想される状況だ。

 中間層の衰退は世界的な現象だ。経済協力開発機構(OECD)の19年の報告書によると、近年、OECD加盟国の中間層は、所得の低成長と生活コストの上昇、負債の累積、雇用の不安定化などにより疲弊してきた。それと並行して、他者や民主主義、政府に対する中間層の信頼の低下、社会の不安定化、ナショナリズムやポピュリズムの出現が生じた。以上の状況を乗り越える策として、財政を通じた中間層対策が喫緊の課題とされているのである。

 ◇中間層に少ない受益

 以上の説明は即座に米国を想起させる。16年11月のドナルド・トランプの大統領選挙勝利は、ポピュリズム現象の象徴とみなされてきた。その背後には、国家によって「忘れられた」中間層と社会の分断が存在した。今回は、この状況を生んだ米国連邦財政の特質の分析から、中間層対策のあり方を考えたい。

 米国連邦財政は二つの特質を持つ。第一に、小さな租税負担と公的社会支出の下で、中間層以上に税負担が、低所得層に給付が偏る構図だ。米国の18年の総税収と公的社会支出の対GDP(国内総生産)比(それぞれ24・3%、18・7%)は、いずれもOECD平均(34・3%、20・1%)を下回る。次に、図は、全所得者を五分割し、所得階層第1五分位(下位20%)から第5五分位(上位20%)における、給付の受益と税負担の関係を示している。これを見ると、政府支出を通じた直接給付の受益が第1五分位に集中し、中間層が含まれる第2~4五分位には極めて小さい。直接給付の中心が公的医療扶助メディケイドや補助的栄養支援事業などの低所得層向けであるためだ。これに対して、連邦税負担は累進的で、第3五分位以上では給付の受け取りを税負担が上回っているのだ。

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April 11, 2020 at 08:10AM
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