藤谷和広
親から虐待を受けた子どもの居場所をつくろうと、NPO法人が運営する自立援助ホーム「かぜまちの家」が11月1日、千葉市稲毛区にオープンする。高校や大学に通っている女性が対象で、定員は6人。同市内での自立援助ホームの設置は4カ所目となる。
NPO法人「子どもセンター帆希(ほまれ)」が運営し、スタッフが24時間態勢で生活を支える。施設は新築で、1階にキッチンやリビング、2階に六つの居室が並ぶ。「プライバシーを守りつつ、自傷行為も防ぎたい」と、居室のドアにはすりガラスの窓を付けた。オンライン授業にも対応できるよう通信環境も整えた。
児童相談所の委託により子どもを受け入れる。利用料は原則月3万円で、生活状況に応じて減免する。柏原美津子施設長は、「これまで与えられてこなかった安心できる『普通』の生活を提供し、ゆったりと成長を見守りたい」と話す。
同法人は、虐待を受けた子どもを一時保護するシェルターを市内で運営しているが、退所で居場所を失う子が多い。身体的・心理的虐待やネグレクトのほか、性被害を受けていた子がほとんどで、今回の施設は長期的な支援を目的とする。
厚労省によると、昨年度に千葉県内の児相が相談対応した件数は9848件にのぼる。前年度より9%増え、都道府県別では全国で4番目に多い。
同法人の理事長で千葉大の後藤弘子教授(刑事法)は、「児相の一時保護所は定員オーバーの場合が多く、高校生だと里親も見つかりづらい。18歳以上になると自力で居場所を見つけないといけないのが現状だ。子どもの多様なニーズに応え、自己肯定感と生活のコントロールを取り戻す場所を社会に増やしていく必要がある」と話す。
問い合わせは同法人(043・209・2965)へ。(藤谷和広)
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