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Tuesday, July 20, 2021

「それが普通だろう」という先輩の言葉は、上からの押し付け - 読売新聞

「それが普通だろう」という先輩の言葉は、上からの押し付け

イラスト 赤田咲子

 大ヒットしている受験ドラマ、「ドラゴン桜」(TBS系)を見ていたら気になるやり取りがありました。龍海学園・東大進学コース、女子生徒の早瀬菜緒さんは、「私、普通の家庭で、普通の両親で、普通に学校に通っている」と話すと、東大合格請負人である桜木建二弁護士は「普通って、運がいいんだ」と言います。彼女は「普通って言ったのは、ほかの家庭のことは知らないから、自分の家庭が普通って……」と語ります。

 私たちは「普通」という言葉を、当たり前のように使っていますが、その意味や定義は個人個人によって違いがあります。そのためコミュニケーションのすれ違いが生じ、対人ストレスにつながる場合があります。

 社内の健康相談室を訪れた31歳、営業部の伊藤幸太郎さん(仮名)のケースを紹介します。

後輩に指導の言葉が通じない

産業医 :メンタル相談を担当しています産業医の夏目です。相談ですから、気楽にお話しください。

伊藤さん:実は、後輩とギクシャクした感じがしています。僕は入社8年目で、営業第1課で法人担当をしています。入社3年目の和田君という後輩の指導担当です。彼は今までは個人営業をしていました。法人営業を指導するのが私の役割です。

産業医 :それで。

伊藤さん:彼は営業が未熟と言うか、担当者への食い込みが甘い感じがするんです。

産業医 :例えば?

伊藤さん:商品説明ではメリハリがなく、ダラダラと話している。きちんとアイコンタクトもしていない。

産業医 :経験が少ない点もあるでしょう。

伊藤さん:わかりますが。要領が悪いと言うのか……。

産業医 :何事も場数や場慣れが大切ですから、経験を積めば、それなりに出来るのではないでしょうか?

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