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Thursday, March 11, 2021

スマートグラスに期待? 高コントラストで文字が読みやすい透明ディスプレイ - ギズモード・ジャパン

そろそろまたスマートグラスが来てもいいころ。

中国の吉林大学が、高コントラストで画面が見やすい透明ディスプレイを開発しました。

透明ディスプレイは昔からあるアイディア。SFフィクションにもさんざんでてきますからね。いや、フィクションならたくさんあるんですけどねというべきでしょうか。透明ディスプレイはあることにはあるのですが(LGが商業用に透明OLEDを販売)、まだまだリアルで一般的に普及とはとても言えない状況ですから。

非発光性の透明ディスプレイは、コントラストレベル、色の再現度、視野角など、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに劣ってしまいます。すでに遠い記憶となりつつあるGoogle Glassを、かつて1度でも触る機会があった人なら、透明ディスプレイの限界は感じたことかと。

透明ディスプレイって本当にいけるの? という不安や懐疑的な気持ちはあるものの、LGやSamsungなどの巨大テック企業は研究開発を続けています。そこで、頭ひとつ飛び出したのが吉林大学の研究チーム。Chemに掲載された論文によれば、電流を加えるとそこだけ可逆的に色が変わるエレクトロクロミックに新たなアプローチを施したのが今回の透明ディスプレイ。

完全な透明から黒まで再現可能

吉林大学の試作品は、電極に加え、金属塩、染料、電解物、溶剤でできた素材が組み込まれた2枚のクリアパネルでガラスを挟んだもの。電気が流れることで金属イオンが反応し、染料がアクティブ化し、混ざり、色を表現する仕組み。チームいわく、シアン、マゼンタ、黄色、赤、緑、ピンク、紫、グレーを作り出せたといいます。ディスプレイは完全な透明から色を混ぜた黒まで表現でき、結果、透明ディスプレイの課題であるコントラストレベルをあげる(=文字を読みやすくする)ことに成功。

実用化には表示速度をクリアしないと

見やすいだけでなく、比較的低コストかつ製造しやすいのもこの技術のウリだそう。スマートグラスなどで、液晶やOLEDに代わる素材として採用されるのが目標。ただ、実際に商品に採用されるためには、クリアすべき問題があります。それは表示速度。文字や画像を表示する速度が、現在のスマートフォン・ウェアラブル端末のディスプレイよりもかなり遅いんです。実用化を考えれば30回/秒ほど文字・画像の切り替えをしたいところ。

コントラストというひとつの問題をクリア。次はスピード。そうしてひとずつ壁を乗り越えていくうちに、スマートグラスが当たり前の世の中になるのかな。

Source: Chem

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