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Friday, December 4, 2020

元中日コーチ金田進氏、学生に説く「普通の大切さ」 - ニッカンスポーツ

かつてプロの世界で活躍した野球人にセカンドキャリアを聞く「ザ・インタビュー~元プロ野球選手たちのセカンドステージ」。今回は元中日コーチの金田進氏(60)です。退団後は営業マンとして第2の人生をスタートさせる一方、硬式野球クラブチーム監督に就任。17年秋から愛知大学野球リーグに所属する名古屋学院大学硬式野球部監督として指導にあたっています。【聞き手・安藤宏樹】

   ◇   ◇   ◇

-まず西武の育成ドラフト3位に指名された宮本ジョセフ拳外野手についてお聞きします。名古屋学院大学から直接プロに進むケースは初めてとのこと。大学監督に就任された年に入学してきた選手のようです。

金田氏 1年生のときから知っていますが、肩と足の素材は素晴らしかった。ただ、当時は高い身体能力を生かすためにいろんなことを考えていたようでした。将来的にはアメリカンフットボールの選手を目指したい、とかですね。3年生になってプロ野球の世界を本気で目指し始めて打撃も伸びました。今年の秋のリーグ戦(愛知大学2部)で2試合連続先頭打者本塁打を放ったことで、評価してもらったのだと思います。

-中日を退団されたのが13年。現役引退後もスタッフ、コーチ、フロントなど長年にわたり、ドラゴンズ一筋でした。53歳で新たな人生をスタートされたわけですが、その時点から大学野球というイメージはお持ちだったのですか。

金田氏 まったく想像もしていませんでした。球団を辞めてから、いろいろな方に仕事の相談をする中で健康診断専門病院の営業職を紹介していただきました。そこで3年間、営業マンとして働かせていただきました。その間、社会人野球のクラブチームを立ち上げるということで「鳥開ベースボールクラブ」の監督を務めさせてもらったわけです。ドラゴンズ時代からお世話になった方々のお力添えのおかげです。

-そこから大学野球界へ転身。

金田氏 学生野球の指導回復資格を取得した際、私の母校・近大付でも監督をされていた方がたまたま名古屋学院で監督をされていましたのであいさつにうかがいました。「それなら少し手伝えよ」ということで月に1、2度指導に出向くことになったわけです。その流れで後任に推薦していただき現在に至っています。ドラゴンズを退団していなければこういう人生もなかったわけですが、やはり人との出会い、お付き合いは大切なことだと実感しました。

-転機は何度もあったと思います。乗り越えてこられたのは人との出会いを大切にしてきたから。そしてそれを継続してきたから、ということでしょうか。

金田氏 高校時代は大阪府大会の決勝で敗れたPL学園に木戸という捕手がいました。夏の甲子園を制して法大に進み、阪神にドラフト1位で入団する選手です。当時、自分は彼の足元にも及ばないと思っていました。近大進学という選択もありましたが、そこにも1学年上に素晴らしい捕手がいました。冷静に考えて社会人の丸善石油に進んだ。これが最初の転機でした。ここでいい監督と出会い、試合に使っていただきプロへとつながりました。3年目でチームが休部となり、転籍も決まっていたのですが、中日からドラフト指名され入団しました。

-中日では83年に29試合に出場されました。

金田氏 当時、中尾さんがバリバリのレギュラーでしたからね。大変なところにきたなと思いました。中尾さんが故障されたシーズンに少し、出させてもらったのですがその後は肩の故障もあって泣かず飛ばず。現役最後の10年目のシーズンに星野さんから「コーチの勉強をしたらどうか」と声をかけていただきました。その1年はずっとブルペン捕手として1軍で勉強させてもらったのです。それが後々につながりました。

-これからの目標や学生たちに伝えたいことなどはありますか。

金田氏 私自身、大学生活は経験していませんので試行錯誤の連続でした。なんとか昨年、1部、2部の入れ替え戦に行けたのでようやく私の考えも理解してもらえたのかなと感じています。もちろん1部リーグに上がり、優勝する。宮本選手のように1人でも多く上を目指せる選手を育成したいという目標はあります。ただ、大学の監督なんて出来るとは思ってなかった。人生はわからないものです。ただ、振り返ってみると普通に生活することの大切さに行き着きます。ゴマをする必要はないけれども人間として普通のことをしておくことが大事だということですね。あいさつから始まって、人と普通に接していくことの大切さを学生に伝えていければと思っています。

◆金田進(かねだ・すすむ)1960年6月15日生まれ、大阪府出身。近大付、丸善石油を経て81年ドラフト4位で中日入団。83年には29試合に出場したが、故障もあり正捕手争いから後退。91年限りで現役を引退した。ブルペン捕手を経て2軍バッテリー、育成コーチなどを歴任。球団フロントに転出後、13年に2軍捕手コーチとして現場復帰したが同年限りで中日を退団。現在は名古屋学院大学硬式野球部監督。

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December 03, 2020 at 08:01AM
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