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Tuesday, April 14, 2020

ごく普通のマンションが猫も喜ぶ「光と風がまわる」空間に - 朝日新聞社

Sさんご夫婦(夫50代 妻40代)
東京都江東区/築16年/77.41㎡/総工費約2000万円

    ◇

新築で購入して15年間住んでいたマンションを、リノベーションしたいと相談にこられたSさんご夫婦。趣味のサーフィンを満喫するために、湘南に引っ越すのはどうかという案も出たそうですが、仕事のことなどを考えて「今の家をもっと心地よくしよう」という結論に落ち着いたとのこと。

リノベーション前のマンションは3LDKの一般的な間取りでしたが、窓が4面にあって明るく風通しがよいのが特徴でした。

お二人の希望は、飼っている猫5匹と一緒に心地よく暮らせること。そこで、窓を生かし、家のどこにいても光と風を感じられる、大胆なプランを提案しました。

ごく普通のマンションが猫も喜ぶ「光と風がまわる」空間に

4面採光を生かし、窓がたくさんあるプランに。自然光を取り入れられ戸建てのような暮らしを演出

広めのリビング・ダイニングとキッチンのスペースを確保し、水回り、寝室、クローゼットなど暮らしに必要な場所はセンターに配置して、その周りを廊下にしました。玄関からリビング・ダイニングへ、リビング・ダイニングから玄関へと回遊できるようにしたのです。

人と猫たちがグルグルと回りますが、窓からの光と風も家中を回ります。「朝は猫たちの運動会から始まります。窓を開けると光はもちろん、風も回るので、猫たちが興奮して廊下をグルグル回るんです」と奥様が楽しそうに報告してくれました。

窓を閉めても同じ環境になるように、エアコンは玄関とリビングに設置し、エアコンの風が家中を回るようになっています。

ごく普通のマンションが猫も喜ぶ「光と風がまわる」空間に

写真左 キッチンより裏道(回遊できる廊下)をみわたす。日当たりのいい場所は猫ちゃんたちのお気に入りの場所/写真右 玄関に設置したエアコンをつけるだけで空調は十分とのこと。サーフボードをかけている壁の裏は寝室。天井まで壁を設けず、光と風が通るように

さらに廊下を楽しい場所にするために提案したのは、廊下の壁を部分的に斜めにすること。こうすることで、廊下を歩いているときに窓がよく見えるのです。そして、ベンチや収納、在宅ワークをしている奥様のデスクスペースを作るなどスペースを有効に使いたかったという理由もあります。斜めにしたことでスペースに動きが出て、通路というよりも細長い大きな部屋のようになりました。

さらに、この家のもう一つの特徴は、猫たちが喜ぶ場所をたくさん作ったこと。それぞれの猫たちが高いところに登ってみたり、隠れてみたりとお気に入りの場所を見つけ、くつろいでいます。

ごく普通のマンションが猫も喜ぶ「光と風がまわる」空間に

写真左 玄関収納上から廊下・リビング・ダイニングまで続くキャットウォークは楽しいお散歩コースのひとつ/写真右 ワークスペースにも自然光がやさしく届く。壁をタイル貼りにすることで爪とぎの心配事をなくし、心配のないモノは木の素材に

特に猫たちが大好きなのが、廊下の上部に設置した長いキャットウォークです。途中に奥様のデスクスペースがありますが、ちょうどその上のキャットウォークに窓のような透明な部分を作りました。これは、キャットウォークを歩いている猫の肉球が、奥様に見える仕掛け。仕事中に、猫が歩くだけで楽しい気分になるようです。

他にも、腰壁(こしかべ)は猫が爪を研がないようにタイルを使用しています。床は汚れてもすぐ掃除できるタイルや、張り替えがラクなタイル・カーペットを使用するなど、人と猫がストレスなく暮らす工夫をしました。

5匹の猫たちが家族の一員のようなSさんのお宅。家族みんなが、毎日の暮らしを楽しめるような家になりました。

Sさんご夫婦に聞く
リノベーションQ&A

1.リノベーションをして、生活が変わりましたか?

夫:以前は、リビングにいても外を眺めていることが多かったのですが、今は家の中を見回したり猫たちの居場所に目を向けたり、外を見なくなりました。
妻:家にいる時間が長くなり、掃除をマメにするようになりました。猫たちもよく遊ぶようになりました。

2.家の中で、どこで過ごす時間がお気に入りですか?

夫:カーペットの触り心地や床暖房のおかげで床にいることが多くなりました。
妻:ワークスペース。仕事がはかどります。

3.今回のリノベーションで一番大切にしたことはなんですか?

「光と風が回る家」をテーマにプランを考えました。猫も人も暮らしやすくなりました。裏道(回遊できる廊下)はみんなのお気に入りで、作って良かったです。裏道に面した浴室のガラス窓から、猫が出入りするのも楽しいです。「やるなら思いきり!」と決めていました。

ごく普通のマンションが猫も喜ぶ「光と風がまわる」空間に

(構成・文 大橋史子)

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    PROFILE

    石井健

    「ブルースタジオ」執行役員
    1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
    ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。
    http://www.bluestudio.jp/

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