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Saturday, February 22, 2020

【独自】空ぜき「普通の肺炎と違う」武漢病院長の証言 - 朝日新聞社

 新型コロナウイルス肺炎の発生地である中国湖北省武漢市で、最も早くから感染者を受け入れた拠点病院「金銀潭病院」の張定宇院長(56)が、SNSのビデオ通話を使い、同市内で朝日新聞の取材に応じた。未知の伝染病と格闘しながら事態の重大さに気づき、自分たちが「台風の目」の中にいると医師らに覚悟を促した状況や、試行錯誤を通して得た知見も明らかにした。

 新型肺炎をめぐり、張院長が外国メディアの取材に応じるのは初めて。武漢の医療機関幹部が取材に応じるのも極めて異例だ。

 金銀潭病院は2016年に設立された市内の感染症対策の最重要拠点。新型肺炎の蔓延(まんえん)後は肺炎治療に特化し、多数の重症患者を受け入れてきた。

拡大する写真・図版中国湖北省武漢市の医療現場からビデオ通話を通じて取材に応じる金銀潭病院の張定宇院長=2020年2月21日

 昨年12月29日、市内の華南海鮮卸売市場で広がった原因不明の肺炎患者が7人、同院に運び込まれた。張院長は「最初はそれほど特殊なケースとは思わなかった」と振り返る。ただ、一般的な肺炎と異なり、患者がたんを伴わない空ぜきをしていたことに気がついたという。普通の肺炎では主に重症患者に見られる呼吸困難も、新型肺炎の患者には広く見受けられた。

 その後患者が増え続け、中央政府から感染症の専門家が派遣されると「これはただごとではない」と悟った。1月上旬、病院の医師や看護師らに「我々は『台風の目』にいる」と呼びかけ、診療態勢を強化した。

 1月23日、武漢が封鎖されて外部との交通が遮断された。感染者が急増する中で医療物資の備蓄は減り、院内に張り詰めた空気が漂った。防護服やマスクなどが足りないため、医師は1日に2~3回しか治療区域に入れなかった。看護師の数も逼迫(ひっぱく)し、2時間交代だった勤務を4時間交代に延長せざるを得なくなった。医師や看護師らは20日以上もぶっ通しで治療を続けたという。

 張院長は「私たちが最後のとり…

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