「地下鉄」と「普通の鉄道」の違い
東京の地下には、多くの「地下鉄」が走っています。東京メトロと東京都交通局が運営し、東京メトロは9路線、東京都交通局の都営地下鉄は4路線あります。 【画像】江東区・越中島駅の「奇妙な階段」を見る しかし東京では「普通の鉄道」も地下を走り、駅があり多くの人が利用していることは案外意識されていません。これらの鉄道と「地下鉄」には違いがあり、区別されているのです。では、どのように違うのでしょうか?
鍵は「貫通扉の有無」「トンネルの大きさ」
地下鉄車両の前面を見たことのある人は多いでしょう。最近ではホームドアが普及して見にくくなっていますが、前面に扉がついています。この扉は、2編成つなげたときに乗客を移動できるようにするためのものではありません。 では、なぜこの扉は存在するのでしょうか。それは、車両に何かあったために前や後ろから乗客が避難するためです。またなぜ、地下鉄の車両にはそんな扉があるのでしょうか。答えはトンネルが狭いからです。 一方、普通の鉄道で地下を走っている車両には、貫通扉がありません。車両横のドアから降りて人が逃げるためのスペースがあるからです。 実際にそういう路線は都心部にあります。JR東日本の京葉線東京~潮見間と、総武快速線・横須賀線の錦糸町~品川間です。これらの路線では、広いトンネルを貫通路のない車両が普通に走っています。 では、実際に乗ってみましょう。
地下駅としての東京駅
まずは東京駅から京葉線に乗ります。東京駅の京葉線ホームは、いわゆる「東京駅」として想像されるエリアから離れています。もともとは成田新幹線のホームを設置するための場所で、かつ、そこしか空いている場所がなかったため、あの位置にホームが設けられました。 地下駅にしては堂々たる空間です。ホームに着くまでに、 ・駅そばや改札などがある地下1階 ・ふたつのホームに人を振り分ける地下3階 ・2面4線のホームがある地下4階 となっています。地下空間としても相当な規模。単独の地下鉄駅でこれほどの規模のところはないでしょう。 1番線・2番線は武蔵野線と特急列車のホーム、3番線・4番線は京葉線の普通列車と快速列車のホームです。 普通列車に乗ってみます。八丁堀・越中島と停車しますが、駅間距離が長く感じます。すぐ停車するのではなく、制限速度いっぱいで走っている時間が果てしなく思えてきます。 いったん越中島駅で降りてみましょう。ここは東京海洋大学越中島キャンパス(江東区越中島)の最寄り駅です。この駅は東京23区の駅のなかでもっとも利用者の少ない駅として知られています。2020年には乗車人員は4126人です。駅の空間は広く設けられています。 この駅は1990年に開業した比較的新しいものです。バリアフリー設備としてはエレベーターが設けられています。階段が多く、地上に出る直前にはいったん地上よりも高い位置まで上がって、そこから数段降りるという形になっていますが、おそらく水害対策でしょう。近くには東京海洋大学のほかスポーツニッポン新聞社東京本社(同)やマンションなどがあります。
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