“禁断”の領域に突入したデモ
「タイでデモは何度も繰り返されてきたけど、今回のデモは“禁断”の領域に入ってしまった。今後、何が起きてもおかしくない。」 長くタイ政治をウォッチしてきたある大使館関係者はこう話す。 世界4位となる7万5000人以上の在留邦人が暮らすタイ。“ほほ笑みの国”と呼ばれ、日本食レストランなども多く、その暮らしやすさから人気の駐在先である。 そんなタイの歴史は、デモとクーデターの繰り返しでもある。1932年に立憲君主制に移行してから発生したクーデターは十数回を数える。2006年には、当時のタクシン首相がクーデターで失職。2010年には軍とデモ隊の衝突で1人の日本人を含む24人が死亡。プラユット首相は2014年にクーデターを起こして今の座についた。 ただ、今回のデモは、今までと決定的に違う。
映画館で見えた“異変”
“絶対的”な存在とされ、批判することがタブー視されていた王室にもその矛先が向かっているのだ。 これまで、タイ国民と王室の関係は深かった。発行されている全ての紙幣に国王が描かれ、街のいたるところに国王の肖像画が飾られ、映画館では本編の上映開始前に国王賛歌が流れ、人々は直立して敬意を払わないといけない。数年前、初めてタイの映画館に行ったときには、皆が立ち上がる姿に驚かされた。 ところが、である。先日、久しぶりに映画館に行ったところ、起立していたのは来場者の半分くらいだった。座ったままスマホをいじる人、歌が終わるまで劇場に入らずロビーで待機している人…。デモ隊に限らず、王室に不満を持つ人々がその気持ちを隠さなくなってきている。そうした光景がそこに広がっていた。
デモ隊が王子と王妃を取り囲む
今回の一連のデモで、王室を批判する声が公然とあがったのは8月の初旬だ。不敬罪が存在するタイで、王室を批判すれば最長で禁錮15年となる可能性がある。 最初は、一部の人が過激なことを言っているような感じもあったが、それが段々と大規模なデモの現場でも訴えられるようになっていった。 10月13日には王妃と王子の乗った車をデモ隊が取り囲み、「私たちの税金を返せ!」と声をあげ、同26日には学生ら数千人が、国王が1年の大半を過ごしてきたドイツの大使館を目指して行進し、タイ国王のドイツ滞在中の行動調査などを要求した。ドイツの外相も「タイの国王の行動を注意深く見ていく」と発言し、国際問題の様相も呈してきている。
からの記事と詳細 ( 絶対的存在の「王室」を普通の若者が公然と批判するワケ ~反政府デモが続くタイ(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/2Ktdiqh
普通の
No comments:
Post a Comment