カリフォルニア州の中ではトランプ氏を支持する保守層が多数居住するオレンジ郡ヨーバ・リンダ市。
昨日の投稿「バイデンに投票」はたった2人だけだった! “トランプランド”の投票所で直撃取材 米大統領選では、同市の投票所に投票に訪れた有権者たちの声を紹介した。
その投票所からの帰り、車で市内を走った。
とある交差点で、風にはためいている“TRUMP”という旗が目に入った。Tシャツや野球帽などトランプグッズを売る露店が掲げている旗だった。販売をしているのは黒人男性だ。トランプ氏を支援しているのだろう。人種差別主義者と批判されているトランプ氏を、いったい、どんな理由で支援しているのか? 車を止め、露店を訪ねた。
黒人男性はケルヴィンと名乗った。3ヶ月前から、露店でトランプグッズを販売しているという。「今日は1,000ドル分は売ったよ」と誇らしげに笑うケルヴィンに話をきいた。
トランプは黒人にチャンスをくれる
ーーなぜ、トランプ氏を支援しているんですか?
トランプは人々を良い方向へと導こうとしているからです。人々に教育を受けさせ、いい職を見つけさせようとしている。そうすることで、人々が自分の生きたい道を生きることができるよう手助けしようとしています。素晴らしいことです。何百万人もの黒人がトランプに投票するはずです。
(筆者補足)トランプ氏は黒人コミュニティに向けて「プラチナ・プラン」という投資計画を発表した。これは黒人コミュニティの人々に教育の機会を与え、また、300万人の雇用を生み出すことで、格差を解消する取り組みだ。トランプ氏はこのプランにより、黒人コミュニティに5,000億ドルを投じる公約をした。
ーー民主党はそうではないんでしょうか?
民主党は、社会保障費やフード・スタンプ(低所得者向けに行われている食料費補助プログラム)で貧しい人々を助けようとします。しかし、それでは、貧しい人々は貧しく生き続けることを選択せざるを得なくなります。一方、トランプは、教育や職という機会をみなに与えようとしている。一角の人間になれるチャンスをみなに与えようとしているんです。
ーーしかし、トランプ氏は人種差別主義者だと言われています。
ノー。そうではない。トランプは人種差別主義者ではありません。彼がそう言われているのは、ニュースが大げさに報道するからです。同じニュースも繰り返し報道されると、人々はそうなのだと信じるようになります。結局、報道が正しいか正しくないかは、自ら確認しないことにはわかりません。
バイデンは人種的経済的格差を是正するために、郊外(主に白人の中高所得者が居住)に貧困層向けの居住ビルを設けるプランを出していますが、トランプはそのプランは郊外に住む人々の生活を破壊することになると反対しています。それに対して、バイデン側はそれは人種差別だとしてトランプを批判しました。しかし、トランプの考えは、決して人種差別だとは思いません。
なぜなら、トランプは本当は黒人貧困層にこう言いたいからです。郊外に住みたいなら、きちんと学校に行って教育を受け、いい職につきなさいと。彼は、黒人貧困層に教育と職の機会を与えることで、彼らを一角の人間にしようと考えているのです。
ーーバイデン氏はそうは考えていないのでしょうか?
貧困層を社会保障費に頼らせるバイデンーハリスコンビの民主党は、貧民は貧民のままでいろと言っているようなものです。それは間違ってます。人はより良い暮らしを送るに値する存在です。それに、社会保障費といっても年2,500ドルくらいしかもらえません。バカげています。
一方、トランプは職を生み出そうとしています。その職が自分がやりたい仕事ではないとしても、職が得られれば生活をしていくことができます。
ーーバイデン氏についてはどう思いますか?
彼は信じられません。嘘つきです。ある集会ではあることを言い、別の集会では全く違うことを話している。たくさんの顔を持つ人間は信じられません。一方、トランプは選挙公約をすべて果たしているので信じられます。
ーーしかし、トランプ氏は新型コロナウイルス対応に問題があるのではないでしょうか?
確かに、新型コロナのことではトランプは批判されていますが、新型コロナは彼が生み出したものではありません。彼が悪いのではない。彼はたまたま、新型コロナが登場した時に大統領だっただけです。人は惨事が起きると、責める対象、つまり、スケープゴートを見つけるものです。新型コロナに関しては、人はトランプをスケープゴートにしているのです。
ーーバイデン氏の方が支持率が高い状況ですが、なぜだと思いますか?
人が違いというものを好まないからでしょう。マイケル・ジャクソンは違っていましたが、トランプもまた違っています。一方、人は、変わらないこと、同じことを好みます。
先祖代々、民主党を支持している家系だからという理由で、バイデンを支持している人もたくさんいます。彼らは自分の判断で選択していないのです。どの報道が事実でどの報道が嘘なのか、自ら判断し、自ら誰に投票するか選択すべきだと思います。
ーー2016年の大統領選の時は誰に投票したのでしょう?
4年前もトランプに投票しました。ただ、僕は、共和党支持者ではありません。僕は政党ではなく、人物を見て投票しています。この人物は国を動かすことができるかどうかという点を見ています。国を動かすことができると確信した候補者にチャンスを与えたいと思い、4年前、トランプに入れました。
ーートランプは勝つと思いますか?
勝つと思います。今回、たくさんの黒人がトランプに投票するでしょう。トランプは黒人に、貧困から脱する機会を与えようとしているのですから。
終始、トランプ氏を褒めたたえたケルヴィン。トランプ氏は黒人にとって救世主だといわんばかりだった。
黒人男性はトランプみたいになりたい
ところで、今回の大統領選で注目されていることの1つに、若い黒人男性がどちらの候補者に投票するのか、ということがある。彼らは黒人女性と比べ、投票に行かない傾向あるからだ。誰に投票したところで黒人社会を取り巻く現状は何も変わらない。彼らが投票に行かないのは、そんなあきらめの気持ちがあるからだと言われている。
また、投票に行ったとしても、共和党候補に投票する者も少なくないという。実際、2016年の大統領選時に行われた出口調査では、黒人男性の13%がトランプ氏に投票、黒人女性がトランプ氏に投票した4%を大きく上回った。
若い黒人男性にトランプ氏を支持する傾向が見られるのは、大統領になる前から、トランプ氏がメディアを通じて彼らの心を掴んできたからだとされる。トランプ氏はラップソングの中にその名が登場したり、50 CentやIce Cubeといった黒人セレブたちからも支援されたりしているのだ。
コメディアンのテレンス・ウィリアムス氏はトランプ氏が若い黒人男性から支持される理由について、米紙ワシントン・ポストでこう話している。
「トランプはビジネスマンとして成功したので、みな、彼のようになりたがっているんだ」
トランプ氏は若い黒人男性にとって、ある意味、ロールモデルのような存在となっているのかもしれない。
若い黒人男性は投票に行くのか? そして、トランプ氏に投票するのか?
激戦州のフロリダ州では、黒人も数多くトランプ氏を支援していると報じられている。
トランプ氏は豪語している。
「フロリダ州とペンシルベニア州を取れば、勝ちだ」
決戦は明日だ。
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