プロ野球で最高の先発完投型投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会（堀内恒夫委員長）が２３日、都内で開催され、中日・大野雄大投手（３２）がプロ１０年目にして初選出された。開幕から１３連勝した巨人・菅野智之投手（３１）との一騎打ちになったが、両リーグトップの防御率１・８２、１０完投が大きく評価されて大野雄に軍配が上がった。
沢村賞の選考基準は１５勝以上、１５０奪三振、１０完投、防御率２・５０以下、投球２００イニング以上、２５登板以上、勝率６割以上の７項目。大野雄は１２球団で唯一、防御率（１・８２）、勝率（６割４分７厘）、完投（１０）の３部門をクリアした。さらに大野雄は球団新記録の４５イニング連続無失点や１９年ぶりのシーズン５完封などもマークした。
堀内委員長は大野雄を選出した理由を「１番悩んだのは、菅野投手の１３連勝、大野雄大投手の４５イニング無失点、完投、完封そういうものを色々加味しまして、私は沢村賞にふさわしいピッチャーは今年は大野君ではないかなと思って、選考委員の方々も大半がそういう意見でございました」と説明。５人の選考委員（堀内恒夫、平松政次、村田兆治、北別府学、山田久志）の中では大野雄、菅野で意見が割れて、２人の同時受賞という意見も出たというが「防御率とか奪三振、あとは完投数、投球回が全て１位なんですね。セパ両リーグ合わせましてですね。ですから、いろいろなことが菅野君も素晴らしい成績を残しております。でも、数字を見て素直に見ていただくと、私は大野君の方がトップというところが多いんじゃないないかなと思います。その数の多さを見ていただけると、ファンの皆様にはお分かりになると思います」と、大野雄の初受賞が決まった。
ただ、大野雄も選考基準をクリアしたのは７項目中、３項目のみ。昨季は巨人・山口と日本ハム・有原が４項目をクリアしながら、１９年ぶりに該当者なしになった。堀内委員長は「普通の選考基準でしたら、該当者いません」としながらも「今年はこのコロナの中で試合数も少ない。日程も非常に過密。コンディションが整えにくかった。いろいろなことを加味しました。選考委員の皆様も２年連続該当者なしはダメだよねと。この沢村賞というのは、ベスト１のピッチャーに与えるんだよと、というもので、ある程度選考基準を各委員の中で僕は下げている、加味しているということを分かって頂きたいなと思います」と説明した。
今季は新型コロナウイルスの影響で開幕が約３か月遅れ、交流戦やオールスターが中止になり、レギュラーシーズンの試合数も当初予定されていた１４３試合から１２０試合に短縮された。
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November 23, 2020 at 03:00PM
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沢村賞選考委員長の堀内恒夫氏「普通の選考基準でしたら、該当者いません」…コロナ禍考慮で中日・大野雄大初受賞 - スポーツ報知
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