Buah Asem: 「今はほとんど普通の真っすぐは投げていないんです」。6日にラスト登板を終えた吉見が今年…（島田明）

Sunday, November 8, 2020

引退セレモニーで花束を手に記念撮影に臨む吉見らナイン

　「今はほとんど普通の真っすぐは投げていないんです」。6日にラスト登板を終えた吉見が今年、そう明かしてくれたことがあった。

　近年はフォークを外角いっぱいに投げきれなくなっていたという。真っすぐとスライダーだけでは「打者に張られてしまう」と考え、そこでツーシームを取り入れた。黒田博樹さん（元広島やヤンキース）の動画も参考に見たそうだ。

　不屈の男は、ボールを動かすことに活路を見いだし、諦めずに投げ続けた。

　引退の報告もわざわざ連絡してくれ、過去には取材後にニュアンスがよく分からないなと思っていたら、察知したように「さっきの話はこういうことですよ」とメールをくれたこともあった。本当に律義でもあった。

　野球選手としてはもちろん、一人の人間としても素晴らしい男だった。本当に15年間、お疲れさまでしたと言いたい。

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