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Wednesday, September 2, 2020

ごく普通の38歳男性がこれまで独身だったワケ - 東洋経済オンライン

職を失い、300万円の借金を背負ってしまった

コロナをきっかけに自分の人生を見直した男性、その思いとは?(写真:mits/PIXTA)

昨年末から、コロナウイルスの感染に世界中が脅かされている。日本でも2月くらいから感染者が日に日に増えていき、今もなお終息の見通しは立っていない。経済に与えた打撃も大きく、倒産した会社や職を失った人もいる。また、精神的に不安になったり将来を悲観したりした人もいるだろうし、改めて自分の今後の生き方を考え直した人もいるのではないか。

仲人として婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて、苦労や成功体験をリアルな声と共にお届けしていく連載。今回は、「コロナをきっかけに自分の人生を見直し、自分の家族を築きたいと思った」という男性の話を綴る。

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8月のある日、孝雄(仮名、38歳)が、面談にやってきた。身長は172センチあり、スラリとした体型で、ごく普通のサラリーマンの風貌。面談ルームの椅子に座ると、開口一番にこう言った。

「ずっと1人で生きていこうと思っていました。実家の両親や弟を見守りながら、生活していける金が稼げればいいや、って。でも、緊急事態宣言期間中に、これからの生き方を考えさせられる出来事があって……」

孝雄は、運行会社で観光や商業用の車をコンピューターで管理し、配送を手配する内勤をしていた。

「ダイヤモンド・プリンセスの船内感染が報じられて以来、予約されていた観光バスの運行が軒並みキャンセルになりました。緊急事態宣言期間中は、バスもタクシーも使う人がほとんどいなくなった。僕は社員なので、コンピューターシステムをチェックするために週に何回かは出勤があったし、給料が出ていたんです。でも、運転手さんは契約や歩合制だったので、収入がゼロになってしまった」

ある日、出社すると社内がざわついていた。

「社長から、『運転手の○○さんが、アパートで首を吊って亡くなった』と聞かされました。50代で独身。収入もなくなって行先の見えない状況の中、今後の人生を悲観してのことだったと思うんです」

その数週間後、また1人の自殺者が出た。

「今度は入水自殺でした。やっぱり50代で独身。仕事がなければお金も入ってこない。そんな中で、生きていく力を失ってしまったんでしょうね。こんなことが立て続けに起こって、やりきれない気持ちになりました」

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