プロテニス選手は、目の覚めるようなスピードショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ自身に明かしてもらおう。「ポスト錦織」の呼び声も高い綿貫陽介プロが、両手打ちバックハンドのコツを教えてくれた。
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以前はバックハンドが苦手だったという綿貫プロ。「15歳ぐらいまでミスばかりでした。フォアは少々フォームが乱れても打てますが、バックも同じようなつもりで打っていたせいです。スピンをかけようとして手首を使いすぎたり、肩が上下動したり、足を雑に運んだりと、色々と余計なことをしてミスが多かったんです」という。
では、どうして今のように正確かつ強力になり得たのだろうか?
「修正するために心掛けたのは、まずフットワークを丁寧にすること。そしてラケットを引いた後、上げたり下げたりせず、ボールに対して真っすぐ当てにいくことです」
ラケットを真っすぐ用意し、真っすぐ出すことで、自然に当たりが良くなるという。
「ガツンとした厚い感じでもなく、薄いスライスみたいなのでもなく、フラット気味の奇麗な当たりになるので、左手でギュッとボールをつかみながら、相手コートに押し込むことができます。すると、イメージ的に“ボールを捉える幅”を広げることができるんです」
綿貫プロは、意識して強打しているつもりはなく、コントロールできるスピードで打っているそうだ。それでも球威が出るのは、この当て方がカギになっている。
「真っすぐ当てると体重も乗せやすいんです。スピンを上にかけながら体重を乗せるのは難しいですが、このスイングだと自然に体重が乗るので、ボールに伸びが出るし、ミスも減りました。バックが自信を持って打てるようになりましたね」
「今でもバックの調子を崩したときは、真っすぐ用意して真っすぐ当てることを意識しています」という綿貫プロ。巷のテニス愛好家にも参考になるアドバイスだろう。
【プロフィール】綿貫陽介/わたぬきようすけ
1998年4月12日、埼玉県生まれ。181cm、65kg、右利き。ジュニア時代に世界2位を記録し、全日本選手権も制した逸材。伸びのあるサービス、ストロークを武器にITFツアー通算5勝、19年秋には神戸でATPチャレンジャー初優勝を飾った。18~20年デビスカップ日本代表。現在ATPランキング226位(3/16付)。日清食品所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2020年2月号より再編集
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April 26, 2020 at 04:01AM
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